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【#私を構成する42枚】今更音楽的に自己紹介してみます

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さて、色々やらないといけない企画が山積みなんですけど、せっかくのトレンドなので早めに乗っかってしまいましょう。この前Twitterで「#私を構成する42枚」というハッシュタグ企画が流行っていましてね。まあ企画名の通り、愛聴盤42枚を公開するというそれだけのものなんですけど。

当然、音楽ファンとして日夜暗躍するこのピエールが参加しない道理もなく。便乗してTwitterで公開させていただきました。こんな感じです。

いやはや、結構な数のインプレッションもいただけて大変光栄です。で、これだけ反響もあったことですしブログでもこすらせていただきましょう。Twitterの方では単にアルバム・リストを公開しただけでしたので、もう少し突っ込んでそれぞれへの愛着を明らかにしていきたいと思います。いわば、今更ながら私ピエールの音楽的自己紹介といったところですね。いつにもましてゆるい投稿ですけど、のんべんだらりと書き連ねていきましょうか。それでは参ります。

上段10枚

このリスト、上から順番に、おおまかにではありますけど愛着や私個人の中での重みで序列をつけてはいるんですよね。で、その最上段に位置するこの10枚、私にとって並々ならぬ意味を持つ作品群です。ここはタイトルを列挙してみましょうか。

  • “HIStory: Past, Present And Future, Book 1″/Michael Jackson
  • “Innuendo”/Queen
  • “Revolver”/The Beatles
  • “Close To The Edge”/Yes
  • “Pet Sounds”/The Beach Boys
  • “Populus Populus”/UNISON SUARE GARDEN
  • “The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars”/David Bowie
  • “A LONG VACATION”/大滝詠一
  • “頽廃芸術展”/人間椅子
  • “To Pimp A Butterfly”/Kendrick Lamar

はい、こんな感じです。ただ、これに関してはこのブログだったり私のTwitterだったりをいつも見てくださる方にはほぼほぼいつも通りなラインナップな気がしますね。今更語るまでもないような気がしますけど、さらっと見ていきましょう。

まずはマイケル・ジャクソン。彼は我が心の師ですし、現在#MJ全曲レビューという企画もTwitterで展開しています。その中でも“Thriller”“Off The Wall”ではなく“HIStory”というのは一見逆張りオタクに思われるかもしれませんけど、このアルバムは「私を構成する」と銘打ったこの企画では絶対に拾わないといけません。だって、私が初めて聴いた音楽作品がこの”HIStory”なんですから。

2009年のMJの急逝を受けて劇場公開された“This Is It”、これを観て私はマイケル・ジャクソンと邂逅を果たした訳ですが、その翌日には地元のTSUTAYAに駆け込みました。なんの下調べもなく洋楽のコーナーに行くと、なんと2枚組のアルバムが置いてるじゃないですか。しかもディスク1はベスト盤ときたもんだ。これはお得だ!と意気込んで借りたという、たいへんに不純な動機で聴くことになったんですね。

でもこのアルバムって、一度目の児童性的虐待疑惑から始まった世界的バッシングに対する彼の怒りや嘆きを表明した異色作じゃないですか。ものすごくダークなアルバムだし、聴いていて辛い作品なのも事実です。彼のオリジナル・アルバムとしては聴き返す頻度は一番少ないかもしれませんね。それでも、このアルバムがあったから今の私があると胸を張って言えます。まさに「私を構成する」アルバムです。

で、ここからは典型的ですよ。クイーン“Innuendo”に、ザ・ビートルズ“Revolver”。これはどっちも全アルバム・ランキングで1位につけていますね。詳細はそっちで語っているので割愛します(それぞれ↓からどうぞ)けど、やっぱり私にとってのロックの目覚めがこの2バンドだったというのは本当に恵まれています。「アルバム」ってものを意識するようになったのも彼らのおかげでね。

続いてイエス“Close To The Edge”ザ・ビーチ・ボーイズ“Pet Sounds”。これはブログ解説当初にレビューした2枚です。よくある「無人島に1枚アルバムを持っていくなら?」という質問には絶対に『危機』と答えるようにしていますし、”Pet Sounds”は洋楽名盤ランキングで堂々の第1位に選出している作品ですからね。この位置にくるのは妥当です。実際のところ、”Pet Sounds”がこれほど重要な作品になるのはかなり時間を要してはいるんですけど。

ボウイ“Ziggy Stardust”ボウイ全アルバム・ランキングの1位にしていますし、大滝大先生『ロンバケ』も個別レビューの対象にしています。それに加えてケンドリック・ラマー“TPAB”に関しては全訳解説なんていう過去最長シリーズを敢行してまで取り上げたことがあります。やっぱり特別に愛着のあるものに関しては、このブログのどこかしらで言及する機会を持っているみたいです。

強いて挙げるなら人間椅子から“退廃芸術展”ってところですか。アルバムとしては1stの“人間失格”をかなり初期にレビューしてるんですけど、あれは一番語りやすいというところでチョイスした部分もあって。個人的な愛着でいうと、この最もヘヴィで最もおどろおどろしい”頽廃芸術展”がベストかな。人間椅子もいつか全アルバム・ランキングをやりたいものです。需要があるかははなはだ疑問ですけどね。

で、この中で唯一これまでに題材にしていないアーティストがUNISON SQUARE GARDENですね。3rdの“Populus Populus”をチョイスしましたけど、実は邦楽で一番好きなアーティストがUNISON SQUARE GARDENなんです。ロックとポップの共存に対するバランス感覚、確かな信念と遊び心を両立したリリック・センス、「アルバム」へのこだわり、バンドのアティチュード、どれを取っても私の中で最重要なバンドでしてね。時代が時代ならスピッツにもなれたんじゃないかとすら本気で思ってるんですけど、これ以上は今度アルバム・レビューか何かでたっぷり語るとしましょう。

中段12枚

この中段に関しては、どちらかというと音楽体験の中で「こんなにスゴイ音楽があるのか……」という衝撃があったものがメインですかね。決してバンド単位で傾倒しているという訳ではなくとも、作品単位でのインパクトが未だに残っているという感じです。

テレヴィジョン“Marquee Moon”スティーリー・ダン“Aja”、それからディアンジェロ“Voodoo”レディヘからは“Kid A”、あとゾンビーズニュートラル・ミルク・ホテル。ジャンルはバラバラですけど、この辺は私の中で「(ほぼ)完璧と言っていいド級の傑作」という立ち位置の作品です。こういう作品に出会ったからこそ、私の中での名盤としての基準が生まれているように思いますね。批評家気取りのピエールを生み出した悪しきアルバムたちと言ってもいいかもしれません。

それと、プログレからクリムゾンフロイド(『彩』の隣の空白はクリムゾンの『太陽と戦慄』です。なぜか検索にヒットせず……)ですね。ベタですけど、やっぱりこの2バンドはよく聴いていましたから。クリムゾンは今度全アルバム・ランキングもやりたいんですけど、やっぱり個人的ベストは『宮殿』でも『レッド』でもなくこれかな。メンツがカッチカチでね。それからフロイドの場合、最高傑作は絶対に『狂気』なんですけど、私にとって『狂気』はプログレではないのでね。これもどこかでしっかり語りたいテーマなんですけど、あくまでプログレ・バンドとしてピンク・フロイドを聴いていた私にとっては『炎』こそが最良。気分によって『原子心母』の日もあるんですけどね。

邦楽からピックアップするならばまずはスピッツ“名前をつけてやる”かな。これも全アルバム・ランキングで1位にしています。さて、本当に情けない話、洋楽にどっぷりだったかつての私にとってスピッツは「軟弱なJ-Pop」の代表例だったんですね。ろくに聴きもせず決めつける、痛々しい音楽ファンの末路ですよ。ところがどっこい、このアルバム収録の『魔女旅に出る』を聴いたらばその音楽的なレンジの広さに愕然としてね。どうしようもなくJ-Popではあるんですけど、そのオーケストラルなサウンドとニュー・ウェイヴ的な捻りの効かせ方があまりに鮮やかで。一部の例外を除いて、まともに邦楽に向き合った初めての例として大事なアルバムです。

で、その一部の例外ってのが凛として時雨で。なぜか高校生くらいの時に夢中でしたね……そこから「残響系」を掘り下げる訳でも、ルーツであるNUMBER GIRLに辿り着く訳でもなく。当時そこまで音楽に対する周辺知識がなかったのもありそうですけど、本当に謎めいたのめり込み方をしたものです。なので凛として時雨って、変な話ですけど私の中で「懐メロ」的なポジションなんですよね。

あと「ぼざろ」もしっかりと選びましたよ。去年の年間ベストではどうにも楽曲レベルでのちぐはぐさが気になって批評として恣意的に順位を落とした節があったんですけど、単純に「好きかどうか」なら去年の年間1位だった『BADモード』より上に来ますからね。

実は私はこの数年間、日本のロックがポップスとして悪びれない姿勢を是とすることに若干の違和感を抱いていまして。それも勿論誠実で素晴らしいし、近年の邦楽の充実を否定する気はありませんけど、でももうちょっととんがったバンドが「ロック・バンド」として出てきてほしいな……なんて思ってたんですよ。まさかアニメの中からそれが出てくるなんてね。そういう意味でも嬉しい作品でした。アニメ/アルバムともにね。

そうだ、最後にフレディ・マーキュリーモンセラート・カバリェのコラボレート“Barcelona”も語っておかないといけません。できるだけ1アーティスト1枚にはしたかったんですけど、まあクイーンとF・マーキュリーで名義違いますし大目に見ることにします。これは本当に大好きなアルバムでね。史上最高のロック・シンガー、フレディ・マーキュリー最高のパフォーマンスは本作の中にこそあります。本物のオペラ歌手とデュエットして互角に渡り合うロック・シンガーなんて、彼以外に果たしているんですかね?聴いたタイミングもよかったんですよ、プログレでオーケストラルなサウンドに抗体を得た後でしたから。大手を振って「名盤!」と言うには個人的すぎるんですけど、でも聴くたびにしみじみと感動させられる入魂の一作です。

下段20枚

ここまでくると正直結構流動的ですかね。気分やその時気になってる音楽性によって入れ替わる枠も多そうです。それでも現時点で選ぶならこういうラインナップって感じで。

こっちも洋・邦でわけて見ていきましょうか。まずは邦楽から。去年の年間ベスト『BADモード』タツローからは『クリスマス・イヴ』収録の”Melodies”を、あと定番どころで『一触即発』『無罪モラトリアム』ですね。それから9mm Parabellum Bullet八十八ヶ所巡礼amazarashi、この辺も痛々しい洋楽かぶれだった学生時代に「おもしれー女」みたいな感覚で聴いてたアルバムです。でも面白いことに、この時期の無邪気かつ斜に構えたリスニング体験が逆説的に邦楽をdigる中で役立っているんですよね。9mmの歌謡のエッセンスにしろ、amazarashiの日本語詩特有の言葉の響き方にしろ。

特にamazarashiは今でも結構愛聴していて。同時にthe pillowsについても触れていければと思うんですけど、基本的に歌詞を重要視しないスタンスの私にとって秋田ひろむ山中さわお、それとさっき紹介したUNISON SQUARE GARDENの田淵智也もですか、彼らの歌詞表現って例外的に突き刺さるものがあってですね。基本的にネガティヴな書き味ではあるものの、光の方向に進もうという足掻きがあるんですよね。その中でもamazarashiのこのミニ・アルバムに入っている『性善説』、それからthe pillowsの『ストレンジカメレオン』『Please Mr. Lostman』、この辺りの歌詞は聴くたびに涙ぐんでしまう大事な言葉です。

それと「ぼざろ」に続いてアニメ関連からもう1つ、『けいおん!』より放課後ティータイムの2ndです。他にも「ラブライブ」シリーズだったり、あとは『未確認で進行形』だったり『アイカツ!』だったり、音楽的にツボに入ったアニメってあるんですけど、でも『けいおん!』は別格かな。特にこのアルバムはアニソン的なギミックの多用がなくて、手作り感のある素朴なガールズ・ロックなんですね。そこがロック小僧だったピエール少年に刺さったポイントかもしれません。

で、洋楽ですけども。まずは挨拶代わりのプログレです。「5大バンド」の残る面々、ELPジェネシスからも当然チョイスするとして、ジェスロ・タル『ジェラルドの汚れなき世界』とフランスからはタイ・フォンの1stはプログレ体験の中でもかなり愛聴してきた思い入れのある作品。他にもクラウトロックだったりイタリアン・プログレだったりにも愛聴盤は山ほどあるんですけど、枠の都合もあって取り上げるのはこれくらいが限界でした。昔noteで「プログレ50選」みたいな有料記事を投稿したこともあったんですけど、いつかそれをリライトする形でプログレに関しては語り散らかしたいと思います。

ジョン・レノン『ジョンの魂』ニック・ドレイク“Pink Moon”これはいよいよ陰キャ音楽ファンの道を歩み始めた頃の私のお気に入りですね。こういう内省的な作品を好んで聴いてきたことで、21世紀のインディー・ロックとかにもすっと対応できたような気もしてます。

ZEPオアシスビリー・ジョエル、この辺は「洋楽 名盤」でせこせこ検索していた時期に出会ったアルバムです。ZEPなんて聴いたタイミングだけならかなり私の中で古参の作品なんですけど、その直後にプログレにのめり込んだ関係でそこまでZEPを愛聴した時期って長くはなくて。そうなると、『カシミール』筆頭にZEP史上最も巨大なスケール感を誇る“Physical Graffiti”がベストにはなってきます。ただ、この辺はかなり変動しそうですね……『ジャニスの祈り』『マスター・オブ・リアリティ』『フーズ・ネクスト』『ホテル・カリフォルニア』、この辺のベタベタな名盤も同時期に愛聴してましたから。

で、これでもかとロック小僧な話をしておきながら、最後に見ていくのがプリンス殿下“Purple Rain”、それからJBの傑作ライヴ盤“Love, Power, Peace”。マイケル・ジャクソンが私の原点にして頂点というのは最初に書いた通りですけど、そこから色々音楽をdigる中でMJのライバルたるプリンス、そして両者の師であるジェームス・ブラウンも後々聴くことになりまして。今ではロック以外も好きなんですけど、そのスタート地点ってMJよりむしろプリンスとJB、あるいはモータウンなのかな。今回はスティーヴィー・ワンダーなんかは選ばなかったものの、ここもしっかり私を構成してくれていると思います。

そうそう、最後に宣伝なんですけど、プリンスに関してはたった今全アルバム・ランキングの準備中です。ボウイを越える作品数なのでもう少し時間はかかると思いますが、こっちも楽しみにしておいてください。それじゃあ、今回はこんなところですかね。

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