8月11日に公開した『50枚de入門!「21世紀のロック」名盤編』は皆さまお読みいただけたでしょうか?
読んでもらえなかったら元も子もないので昨日までは無料公開していたんですが、今は有料投稿にしています。
で、最初は無料で公開しておいてアレですし、書いた自分で言うのもアレなんですが、お金払ってでも読む価値のあるもんになってる自信は相当あるんですよね。
せっかくそこそこ時間かけて作った記事ですし、今回は完全に自画自賛、如何にあの投稿が自信作かを自慢させてもらうとしましょう。では、参ります。
とにかく王道な50枚
あの記事でとにかく意識したのが、「この50枚でここ20年のロックの流れは掴めるぜ」っていうラインナップにすること。
あくまであの記事の本質は「見ず知らずの人にアルバム50枚押し付ける」というそれだけでとんでもなく傲慢な企画なんですから、独りよがりになると目も当てられなくなると思ったんです。
その上で意識したのが、いわゆるヒット作の存在。むちゃくちゃ誤解を生む言い方をしちゃうと、ピッチフォークが嫌いそうな作品にも手を差し伸べたかったんですよね。
例えばリンキン・パークだったりミューズ、それからコールドプレイみたいな面々って間違いなく00’sを代表するロック・バンドでしょ?21世紀のロックにこれから入門するって人がこの辺りを通らないというのはすごく不自然じゃないですか。
でもいろんなレビュー・サイトを見てみると、この辺のアーティストって極端に評価が低いんです。その癖、普通に日本で生きている分には一生知らずに終わりそうなインディーはいやに高順位だったりね。
もちろん00年代以降のロックにおいてインディーの流れを無視することは不可能ですし、実際私の記事でも半分くらいはインディーにカテゴライズできる作品を扱っているんですが、そこのバランス感覚を失っちゃいかんなと。
枠の都合でフー・ファイターズやマイケミ辺りは選外になってしまったんですが、それでもこれまで目にしてきた00年代以降のランキングなんかよりは大衆的というか、王道感溢れる選出になっているのがいいところですよね。誰が書いたんでしょう、会ってみたいもんです。
「入門」に特化した内容
先のテーマともリンクする部分なんですけど、今回のディスクガイドって名前に書いてある通り「入門」を目的としています。
なのではっきり言って、00年代のロックをリアルタイムで聴いていたり、コアなインディーまで網羅できてるって人には退屈な内容にもなっていると思うんですよね。
ただ、それでいいと思っていて。
大学受験するのにとりあえず東大の赤本買う人なんていないじゃないですか。まだ見ぬインディーのマイナー盤をお求めでしたら、多分Rate Your Musicとか使えば見つかると思います。
で、実際Twitterで告知した時も、まさしく「最近のロック、どこから手を出そうか……」みたいな方にリーチしていまして。狙い通りでとても嬉しかったですし、そういう方には絶対価値のある内容になってますから。
あと、これでもTwitterでは名盤レビューなんてものをしている身ですから、各アルバムに個別のレビューを付け加えているんですが、これも読み応えあると思います。とてつもなく自画自賛ですが今回はそれが目的なので許してください。
多分「最近のロック」に明るくない方って、言い換えればそれだけ「昔のロック」には詳しいと思うんですよね。比較的年齢層が高い方なんてまさにそうだと思いますし。
そういう人にここ20年の音楽を勧める時に、「00’sのインディー・シーンではグリズリー・ベアーらを輩出したブルックリンがアツくて〜」なんてこと言っても伝わりにくいじゃないですか。
なので、できるだけ「過去のロックとどのように接続できるか」、その点にレビューでは留意したつもりです。できるだけ音楽体験の中で地続きに21世紀のロックを捉えてほしいですしね。
時系列での紹介で、歴史がわかりやすい
ああ、ここもいいところです。
前回プログレのディスクガイドを書いた時には、国籍ごとに分けて紹介したんですよね、それはプログレってジャンルが土着性というか、それぞれの国の文化背景や感性の傾向を反映させる音楽だからなんですが。
(プログレ編はこちらから。あれはあれでいい出来なので是非。)
ただ今回は国籍で分ける訳にもいかないんですよね。だいたいアメリカかイギリスですから。
じゃあジャンルで分けるというのはどうでしょうか。なんなら当初はそうする予定でした。
ただどうです、最近のロックってジャンルで縛れなくないですか?
だいたいの音楽がざっくり「インディー」であり、ざっくり「オルタナティヴ」なんですよ。こうなるとジャンルで分けるのも少し難しい。
そこで今回はリリース年月日順に並べてみました。これが自分でも思いもしなかった効果を生んでくれたんですよね。
どういうことかというと、21世紀のロックの歩みが追体験できるんですよ。
頭から順番に聴いていったとすると、それこそあの記事はザ・ストロークスの1stから始まる訳ですけど、そこからホワイト・ストライプスも出てきて、UKからはそれに呼応してリバティーンズが登場して、そして集大成としてのアクモン!みたいな流れが実に綺麗にまとまっているんです。
これはすごくわかりやすい部分ですけど、インディー系統だってだいたいの流れというか、行間に潜む移り変わりみたいなものは時系列で並べたことですごく追いかけやすくなっていると個人的には思っていて。
もっと言うなら、「10年代に入ってロックの名盤出て来なさすぎ問題」も浮き彫りになっちゃってますからね。各タイトルには発表年も書いてあるので、どの時期にどれくらい作品が出たかというのが可視化されてしまってます。
そういう21世紀以降のロックの歴史だったり実情だったりを、ものすごく簡単に確認できるのって無茶苦茶便利じゃないですか?便利なんですよ。だって私がこういうの見たかったくらいですからね。
まとめ
あまり自慢し続けてもイヤミなのでこの辺りでまとめておきましょう。もう十分イヤミったらしいですか?まさかそんな。
真面目な話、私も最近の音楽、もう少し具体的に言うならニルヴァーナ以降の音楽ってここ数年でちゃんと聴きだした程度なんです。
色んなサイトやブログを渡り歩いて、名盤とされるものを片っ端から聴いて、紆余曲折を経てなんとかこういう投稿ができるようになるくらいにはなれたんですよね。
でもどうです、今回のディスクガイドがあれば実にスムーズにその手続きを踏むことができるんですよ。50枚は聴いてもらうことになりますけど、そのどれもが少なくとも名盤ですから苦痛があるはずもないですしね。
ぶっちゃけ50枚選んでそのレビュー書いてって相当しんどい作業なんですが、それをするだけの価値がある、いい記事になっていると思います。しまったまた自慢になった。
こんだけ自慢するくらいにはいいものになったと思うので、もしお読みでない方がいたら是非。損はさせませんよ。それではまた。
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