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ジョジョの素敵な音楽 〜「ジョジョ」から洋楽を知ろう〜 第1部「歴代主人公」編

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今年の12月からNetflixにて『ジョジョの奇妙な冒険』のアニメ・シリーズ最新作『ストーン・オーシャン』の放送が決定しましたね。テレビ放映は翌1月だとか。

アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」公式サイト
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」 の公式サイトです。スタッフ/キャスト・キャラクター・配信/放送情報などを掲載しています。

いやあ、嬉しいですね!私はそこまで漫画ファンという訳でもありませんが、「ジョジョ」は数少ない例外。最早人生哲学に影響を及ぼすレベルで愛読しています。

で、音楽ブログであるこの「ピエールの音楽論」で扱う以上は単なるコミック・レビューはできません。今回も今回とて、音楽を軸に語っていきます。

というのも、「ジョジョ」はキャラクターや「スタンド」という特殊能力の名前の多くを洋楽アーティストアルバム・タイトルから拝借しているんですよね。

かく言う私の音楽体験の中でも、「ジョジョ」から知ったアーティストや作品というのは結構多くて。「ジョジョ」が洋楽入門の入り口になったなんて人も案外多いみたいですね。

ということで、今回は「ジョジョ」に登場する洋楽を紹介していく企画です。シリーズ化する気満々のこのテーマ、第1弾は歴代主人公の元ネタ。それでは早速参りましょう。

①「ジョジョ」の元ネタ……”Get Back”/The Beatles

Get Back (Remastered 2015)

歴代主人公の愛称(と言いつつ4部以降ろくに登場しない愛称ですが)であり、作品のタイトルにもある「ジョジョ」というフレーズ。そもそもこれにも元ネタがあります。

洋楽ファンなら「ジョジョ」と聞いてピンとくる人も多いんじゃないでしょうか?ザ・ビートルズが1969年に発表したシングル、『ゲット・バック』の冒頭の歌詞である

Jojo was a man who thought he was a loner

ジョジョって奴は一匹狼を気取ってて

『ゲット・バック』(1969) より引用(抄訳:ピエール)

からでしょうね。

これはおそらく「ジョジョ」においてほぼ唯一作中で明示されている元ネタでもあるんですよね。

第2部『戦闘潮流』と第3部『スターダスト・クルセイダース』のラストにおいて、ジョセフ・ジョースターがWALKMANで聴いている曲がこの『ゲット・バック』なんです。

特に第3部のラストなんて、最終決戦を乗り越え家族の待つ家に帰るシーンですからね。「戻ってこいよ」と歌う『ゲット・バック』との相性はグンバツです。

②「クレイジー・ダイアモンド」の元ネタ……”Shine On You Crazy Diamond”/Pink Floyd

Shine On You Crazy Diamond

一気にストーリーは進んで第4部。主人公である東方仗助のスタンド「クレイジー・ダイアモンド」の元ネタは、ピンク・フロイドの名盤『』収録の『クレイジー・ダイアモンド』です。

アルバムの開幕と閉幕に分けて収録された、全9部に渡るギター組曲ですね。この部立ての構造もなにやら「ジョジョ」との関連を思わせます。絶対たまたまですけど。

ピンク・フロイドは第4部だけでも他に『エコーズ』と『原子心母』が元ネタに使われている、いわば「大ネタ」。JBの『ファンキー・ドラマー』みたいなもんですね。

元ネタって場合によってはそのキャラやスタンド能力と音楽が符号するパターンも多いんですけど、これは完全に語感優先でしょうね。「歴代主人公のスタンド名には鉱物の名前が入る」みたいなざっくりした法則もあるんですが、そこから荒木御大の好みの音楽を当てはめたってとこだと思います。

③「ゴールド・エクスペリエンス」の元ネタ……”Gold Experience”/Prince

Prince – Gold (Official Music Video)

続いて第5部の主人公、ジョルノ・ジョバァーナのスタンド「ゴールド・エクスペリエンス(黄金体験)」の元ネタです。これは「殿下」ことプリンスが1995年にリリースしたアルバム『ゴールド・エクスペリエンス』からですね。

プリンスも先ほどのフロイド同様「ジョジョ」界隈では頻出アーティスト。というかこの記事でももう一回登場しますしね。名前の元ネタだけじゃなく、「ジョジョ」特有の画風は案外プリンスのビジュアルなんかも参考にしてると勝手に解釈していますが。

で、この辺りで薄々感じている方も多いかと思いますが、荒木先生の音楽の知識量って結構えげつないんですよね。プリンスはそりゃ洋楽ファンなら通るでしょうけど、この作品までしっかり抑えている人ってそこまで多くない印象です。

……こんなこと言っておきながら、私も「ジョジョ」経由でこの作品聴いた口なんですけどね。なんなら『パープル・レイン』より前にこのアルバムの『ゴールド』って曲は聴いていた記憶もあります。荒木先生様様です。

④「ストーン・フリー」の元ネタ……”Stone Free”/The Jimi Hendrix Experience

The Jimi Hendrix Experience – Stone Free (Live at the Atlanta Pop Festival) (Audio)

アニメ化も決定した第6部の主人公、空条徐倫のスタンド名の元ネタはジミヘンですね。『ストーン・フリー』という楽曲です。

『ストーン・フリー』はジミヘンのデビュー・シングル『ヘイ・ジョー』のB面収録で、私の記憶が確かならエクスペリエンス時代のオリジナル3枚には未収録の楽曲です。ボーナス・トラック扱いで入っているのかもしれませんが。

ジミヘンの中で『ストーン・フリー』っていうのがニクいですよね、ちゃんとジミヘンのキャリア追わないと多分見つけられない曲な気がするので。荒木先生がまさかベスト盤だけでジミヘンを片付けているとも思えませんし。

⑤「タスク」の元ネタ……”Tusk”/Fleetwood Mac

Fleetwood Mac – Tusk (Official Music Video)

第7部の主人公、ジョニィ・ジョースターのスタンド名「タスク」の由来は、フリートウッド・マックの2枚組アルバム『牙(タスク)』から。

さっき触れた「鉱物がスタンド名に入る」という法則から脱していますね、これは第7部のストーリー上の性質によるものだと思いますが。

ここまで見てもらえればわかると思うんですが、引用するアーティストは大御所ぞろいなんですけど、チョイスがいちいち渋いんですよね。フリートウッド・マックでわざわざこのアルバム選びますか普通。いや、名盤ではあるんですけどね。

前作『噂』やピーター・グリーン期の作品は未登場にも関わらず『牙』は大々的に元ネタにしちゃう、その感性って独特だなぁと思います。

⑥「ソフト&ウェット」の元ネタ……”Soft And Wet”/Prince

Soft and Wet

本日ご紹介する最後の元ネタは、先日完結したばかりの第8部『ジョジョリオン』の主人公、東方定助のスタンド「ソフト&ウェット」。元ネタは先ほども登場したプリンスの楽曲です。

これはデビュー・アルバム収録の楽曲なんですけど、プリンスってデビューと同時に人気歌手だったみたいな、そういうキャリアのアーティストではないんですよね。だからプリンスを包括的に理解しようとしないとなかなか見つけられない曲だと思うんですが、そこは荒木先生ですから。

なにせ荒木先生にとってプリンスは最愛のアーティストのようですからね。同じく第8部には「ペイズリー・パーク」という、プリンスの邸宅兼スタジオの名前を元ネタにしたスタンドも登場するくらいで。

さっきから言及してる「鉱物の法則」に当てはめるとこれはもう全くの真逆ですね。「柔らかくてそして濡れている」なんて訳も作中に登場しています。これは東方定助のキャラクターを理解すればなんとなくその意味が見えてくると思うんですが、そこは是非お読みください。

まとめ

今回は『ジョジョの奇妙な冒険』の元ネタ音楽集をお届けしました。お楽しみいただけたでしょうか。

冒頭にも言いましたが、「ジョジョ」というのは音楽入門にもピッタリなんですよね。まずもって漫画として無茶苦茶面白い上に、名前にいちいちセンスがありますから嫌が応にも意識しちゃいます。

世の中にバトル漫画は数あれど、能力名で「ソフト&ウェット(柔らかくてそして濡れている)」みたいなの他にないですよね。なんで邦訳付きなんだと。

正直今回登場したアーティストはもれなく有名どころなので聴いたことがあるという方も多いでしょうけど、是非とも漫画ないしアニメと一緒に楽しんでみてください。音楽と「ジョジョ」の相性は、たとえるならサイモンとガーファンクルのデュエット!ウッチャンに対するナンチャン!高森朝雄の原作に対するちばてつやの『あしたのジョー』!ってなぐらいですから。それでは。

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