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週刊「ピエールの2022年オススメ新譜5選」Vol.1

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さて、こんな企画を始めてみましょうか。

週刊「ピエールのオススメ新譜5選」!

このブログ、「ピエールの音楽論」なんて大仰な名前を冠しておきながら基本的にはクラシカルな作品を中心的に扱ってきました。それは私の感性がゴリゴリにそっち寄りだし、そういう音楽体験をしてきたからなんですけど。

ただ、音楽に関して全方面的に扱いたい。コレは前々から思っていて。より具体的に言うと、最新の音楽情報やトレンド、新作にも敏感なメディアでありたいんですね。

ということで、最初は音楽の最新情報を「まとめニュース」的に取り上げようかとも思っていたんですが……そういうのって、何より鮮度が大事じゃないですか。ちょっと個人レベルでは追いつけないというかね。

ということで、その1週間にリリースされた「新譜」、これに絞ってレコメンドしていく企画としてみようと思います。昨日投稿した「5枚de入門」と似たようなイメージで大丈夫です。

これ、毎週やるとなるとかなりな数の新譜をご紹介できると思うんですよ。週に1回5枚ですから……単純計算で260枚ですか。バカにならんでしょ?それでは第1回、張り切って参りましょう。

① “Dawn FM”/The Weeknd

The Weeknd – Out of Time (Official Audio)

1月もまだ前半戦ですが、流石に月間ベストはこれで決まりでしょう。サプライズ・リリースされたザ・ウィークエンド“Dawn FM”です。

架空のラジオ放送というコンセプトに基づいた作品なんですけど、その構成の甲斐あって、流れるように展開されていきます。プロデュースのOPNが見事なまでに艶やかな暗さを通奏低音として作品に与えているのも貢献していますね。

特に日本では、“Out Of Time”での『Midnight Pretenders』のサンプリングが注目を浴びましたよね。シティ・ポップの名曲として有無を言わさぬクラシック、海外のマニアからの評価も高い1曲ですが、あそこまでモロ使いしても馴染んでしまうサンプリング・センスと『Midnight Pretenders』の楽曲としての強度は流石です。

Midnight Pretenders

80’sへのリスペクトが感じられるのも個人的には嬉しくてね。ザ・ウィークエンドはマイケル・ジャクソンの後継者たり得る逸材だと本気で思っているので。ただ、ここまで練度の高い作品になると今後の展開が心配になってきます。それくらいよくできた秀逸なアルバムでしたね。

② “CAPRISONGS”/FKA twigs

FKA twigs – jealousy feat. Rema (audio)

1月前半でいうと、二番手にくる話題作ですかね(ガンナは個人的にピンとこなかったので……)。FKA twigsの新作ミックステープ、“CAPRISONGS”です。

彼女も現代シーンを牽引する最先端のアーティストですが、いやはや流石の完成度でした。アフロビーツラテンを筆頭に、色んな音楽性を彼女の神秘的な世界観で包み込んでいてね。その上でわかりやすさがあるのが今作の大事なポイントではないかと。

神秘的な世界観、という風に表現しましたけど、そういう彼女のスタイルを損なうことなく、ポップスとして非常にフレンドリーに仕上がっている感覚があります。これまでの彼女のキャリアと比べるとアクの強さでは一歩劣るものの、逆にそこが本作の妙味なのではないかと。

それぞれの楽曲もコンパクトにまとまっていて、それでいてそれぞれにしっかりとフックがあって。いい意味で、すごくサラッと聴けてしまうアルバムじゃないでしょうか。

③ “BRIGHTSIDE”/The Lumineers

The Lumineers – BRIGHTSIDE

個人的な好みでいうとこれがドンピシャです。ルミニアーズの通算第4作となる“BRIGTSIDE”ですね。

フォーク・ロックになるんでしょうか。ノスタルジーを否が応でも引き起こす、温かくも切ないメロディが実に見事です。それでいて、ヴォーカルの当て方やサウンドのパンチなんかにはロックらしい尖り方も感じられてね。

ちょっと持ち上げすぎかもしれませんけど、印象として感じたことをそのまま書いておくと、U2の大名盤『ヨシュア・トゥリー』の景色がよぎる瞬間もあったりなんかして。力強くも広大なサウンドスケープと、程よい尖り方がね。……言い過ぎですか?

1月前半の新譜、どうにもエレクトロニカやヒップホップが支配的だったこともあって、この繊細で滋味豊かな音像には本当に心揺さぶられました。冬の朝の、澄んだ空気と共にじっくりと噛みしめるように聴きたくなるアルバムではないかと。

④ “Cool Kids”/C.O.S.A.

Blue

邦楽にも最低限の関心は向けていますけど、一番ビビッときたのはこの作品です。愛知県出身のラッパー、C.O.S.A.のニュー・アルバム、“Cool Kids”です。

日本のヒップホップって正直言って苦手な部類なんですけど、この作品はすごくしっくりきますね。暴力的なアプローチはリリックにもビートにも感じられなくて、結構シンプルな作りじゃないでしょうか。それでいてしっかりドープ、クラクラしちゃうクールさがじっくり迫ってきます。

日本語ヒップホップにどうしても感じてしまう、ライムやフロウの無理矢理さ、頑張って「ラップ」にしようとしている感覚(ヒップホップはど素人なので見当違いなこと書いているかもしれません)、それがないんですよね。語るように、いや、話しかけるようにナチュラルで親しみが持てるラップとでも言いますか。

アルバム全体の印象としてはすごく繊細、淋しげなのもいいですね。この作品に限らず、彼の音楽は「孤独」がテーマに掲げられているようなんですけど、そういうモチーフを周辺情報を調べる前からしっかり感じさせてくれる表現力がお見事です。

⑤ “Hell On Church Street”/Punch Brothers

Wreck of the Edmund Fitzgerald

これもいいアルバムでしたね、ブルーグラスのバンド、パンチブラザーズ“Hell On Church Street”です。

ブルーグラスってそこまで詳しくないんですよ、なのでこのアルバムが属する音楽性全般の中で議論することは、ごめんなさい、ちょっとできないんですけど。マンドリンやフィドルのサウンドがすごく穏やかで懐かしくて、そして軽やかでね。

「歌モノ」としてもすごくいい作品で。音楽性からの連想かもしれませんけど、ハーモニーを主体とした楽曲なんてサイモン&ガーファンクルを思い出したりなんかして。繊細な一方で広がりを感じる、見事な旋律です。

そうそう、この作品、いわゆる「ビート」が登場しないんですよね。アンサンブルが徹底的に弦楽器だけで構成されているので、そこがまた伸びやかな質感を生み出しています。現代のポップスって、すごくビートが重要でしょ?そこへいくとこの作品のリズム感覚、すごくハッとさせられる瞬間が多いんですよ。

まとめ

初の試みとなった「ピエールのオススメ新譜5選」、お楽しみいただけましたでしょうか?

年始ということもあって2週間分まとめてのレコメンドでしたが、次回以降はタイトル通り週刊で発表していくつもりです。こういう企画を作っておくと、新譜のディグをサボらなくなるという自分への枷でもあったりしますね。

こんなことしておきながら、私も聴き逃している作品が結構あるはずなので。「お前これ入れてないなんてどんな耳しとるんじゃ」というお叱りと共にオススメの作品をコメント欄で紹介してくれたらとても嬉しいです。それでは、Vol.2でお会いしましょう。

コメント

  1. バンドワゴネスク より:

    親愛なるピエール様
    いつも音楽的に刺激的かつ興味深い記事、Twitterでの投稿、誠にありがとうございます。いつも楽しく拝見させていただいております。
    さて、今回私の拙いコメントを残させていただきます理由といたしましては、ピエール様のTwitterアカウントでもリツイートなされていましたBonoboの新譜『Fragments』についてでございます。件のアルバムが今回の記事で選考外となったのが個人的に気になったのでございます。また、今回の記事における、おすすめアルバムの選定基準につきまして、音楽的に無知な私にご教授していただけたならば幸いです。

    • pierre pierre より:

      バンドワゴネスク様、コメントありがとうございます!
      Bonoboの新譜ですが、私も最初は5選の中に入れておりました。素晴らしいアルバムでしたから。
      ただ、その枠にS.O.C.A.が滑り込む格好になり、泣く泣く選外といたしました……
      そして、選考基準は極めてシンプルです。「私の好みかどうか」の一点のみですから笑
      新譜というのは評論の定まらない分野ですので、無理に客観的なレコメンドをするよりは、独善的に私の主観のみで紹介した方が誠実なのではないかと思っています。

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