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全音楽ファン必見のアニメ『キャロル&チューズデイ』の魅力

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Twitterを見てると、音楽ファンの方って結構映画も好きなことが多い気がするんですよね。

ただアニメとなると、案外その人口って少ない気がします。Twitterのフォロワーの方の年齢層が結構高いのもあるかとは思うんですが。

そんな中あえて今回はアニメの話をさせていただこうかと。個人的に大好きなアニメ、『キャロル&チューズデイ』のご紹介です。タイトルにもありますが、本当に音楽ファンならば必見の名作なんですよ。普段アニメを見ないという方も是非最後までお読みください。

『キャロル&チューズデイ』とは?

人類が新たなフロンティア、火星に移り住んでから50年になろうという時代。

多くのカルチャーはAIによって作られ、人はそれを享楽する側となった時代。

ひとりの女の子がいた。

首都、アルバシティでタフに生き抜く彼女は、

働きながらミュージシャンを目指していた。

いつも、何かが足りないと感じていた。

彼女の名はキャロル。

ひとりの女の子がいた。

地方都市、ハーシェルシティの裕福な家に生まれ、

ミュージシャンになりたいと思っていたが、誰にも理解されずにいた。

世界でいちばん孤独だと思っていた。

彼女の名はチューズデイ。

ふたりは、偶然出会った。

歌わずにいられなかった。

音を出さずにいられなかった。

ふたりなら、それができる気がした。

ふたりは、こんな時代にほんのささやかな波風を立てるだろう。

そしてそれは、いつしか大きな波へと変わっていく────

『キャロル&チューズデイ』公式サイトより引用

いわゆる「音楽もの」のアニメではあるんですが、世界観は結構SF調です。

余談ですが、本作の原作・総監督を務めたのは渡辺信一郎氏。サントラも有名な名作『カウボーイビバップ』の監督ですね。実は世界観が繋がっているので、『カウボーイビバップ』を視聴済みの方はそこも意識してみるとニヤリとするかもしれません。

どこかで見たことのあるキャラクター

「音楽もの」アニメだって話はしましたが、そんな理由だけで私がこの作品をオススメしている訳ではありません。それなら先に『けいおん!』見てほしいですもん。

この作品、主要キャラクターほぼ全員に明確な元ネタあるんですよ。それも漏れなく洋楽のレジェンド級アーティスト。これ、音楽ファンとしてはすごい面白いんですよね。何人か例を挙げてその元ネタを紹介してみます。

キャロルとチューズデイ

あらすじにも出てきてますね、本作の主人公であるキャロルチューズデイ

孤独を感じていた2人が音楽を共通言語に絆を深め、素晴らしい音楽を生み出す。なんか聞いたことある話じゃないですか?

The Beatles – I Want To Hold Your Hand – Performed Live On The Ed Sullivan Show 2/9/64

そうですね、明らかにこの2人のモデルはザ・ビートルズのメンバーであるジョン・レノンポール・マッカートニーでしょう。

この王道感、いいですよね。音楽をテーマにする作品で、主人公のモデルにレノン=マッカートニーを選ぶという素直さ。間違いなく音楽史上最高のアーティストの一角ですし、人気も凄まじいものがあるこのコンビがモチーフというのは誰もが納得できるのではないでしょうか。

アンジェラ

キャロルとチューズデイのライバルとして作品に登場するのが、アンジェラという少女。

母のプロデュースの元、子供の頃からスターとして活躍する人気者の彼女はミュージシャンに転向します。タオという天才プロデューサーとタッグを組み、音楽界でも頂点を目指す……というキャラなんですが、これもすごく聞き覚えのあるストーリー。

Michael Jackson – Billie Jean (Official Video)

はい、彼女の元ネタは「キング・オブ・ポップ」ことマイケル・ジャクソンですね。

MJもチャイルド・スターとしてシーンに登場しましたし、彼のバックにはスパルタの父親がいました。そこからソロ・アーティストとして成功するためにクインシー・ジョーンズという敏腕プロデューサーを起用して大ヒットを連発していく訳ですが、もうアンジェラのキャラ設定そのままのキャリアですね。

「ザ・ビートルズVSマイケル・ジャクソン」、この構図、音楽ファンからしたら無茶苦茶胸が熱くなりません?MJのデビューしたタイミングって、ちょうどビートルズが解散した直後なんですよ。だから史実において、この伝説的アーティストが同時に活躍することってなかったんです。

その直接対決が、なんとこのアニメでは展開されるんですよ。これはもう否が応でも引き込まれますよね。

クリスタル

火星音楽シーンの絶対的スターとして君臨する女性アーティスト、クリスタル。キャロルとチューズデイにとっての憧れの人でもある彼女にも、明確な元ネタがあります。

アフリカン・アメリカン系の外見に、絶対的なスター性を見せる女性アーティスト。ここまでくれば彼女しかいませんね。ビヨンセです。

Beyoncé – Halo

ここまでに紹介したキャラよりちょっと理由が薄いですか?ただこれに関しては制作陣がネタバラシをしてるんですよね。

あとでまた書きますが、この作品では声優とは別に、各キャラクターに楽曲を歌うためのシンガーが起用されているんです。で、このクリスタル役のシンガーを選ぶ際に制作陣が出したオーダーというのが「ビヨンセくらい歌の上手い歌手」というものだったらしく。

この話聞いたときに笑っちゃったんですよね、だって「ビヨンセくらい歌の上手い歌手」ってハードル高すぎるでしょ。ともかく、このエピソードがクリスタルの元ネタがビヨンセであることの証拠にはなっていますね。

この他にも、もろデヴィッド・ボウイみたいな神秘的なアーティストが出てきたり、オーディション番組にはジャスティン・ビーバーZZトップが出演したり、洋楽ファンなら「お前どっかで見たことあるぞ」みたいなキャラが続々と登場してきます。このワクワク感、本当に楽しいですよ。

サブタイトルが洋楽名曲選

キャラクター設定だけではなく、他にもこの作品には洋楽ネタがあるんですね。それが何かというと、各話のサブタイトル

ネタバレ……になるかは怪しいところですが、各回のサブタイトルを一覧にしてみましょうか。

  • 第1話 「True Colors」
Cyndi Lauper – True Colors (Official HD Video)
  • 第2話 「Born To Run」
  • 第3話 「Fire And Rain」
  • 第4話 「Video Killed The Radio Star」
  • 第5話 「Every Breath You Take」
  • 第6話 「Life Is A Carnival」
  • 第7話 「Show Me The Way」
  • 第8話 「All The Young Dudes」
  • 第9話 「Dancing Queen」
  • 第10話「River Deep, Mountain High」
River Deep – Mountain High
  • 第11話「With Or Without You」
  • 第12話「We’ve Only Just Begun」
  • 第13話「Walk This Way」
  • 第14話「The Kids Are Alright」
  • 第15話「God Only Knows」
  • 第16話「A Natural Woman」
Aretha Franklin – (You Make Me Feel Like) A Natural Woman (Official Audio)
  • 第17話「Head Over Heels」
  • 第18話「Only Love Can Break Your Heart」
  • 第19話「People Get Ready」
  • 第20話「Immigrant Song」
  • 第21話「It’s Too Late」
  • 第22話「Just Like Woman」
  • 第23話「Don’t Stop Believin’」
  • 第24話「A Change Is Gonna Come」
Sam Cooke – A Change Is Gonna Come (Official Lyric Video)

どうです、この名曲のオンパレード。洋楽を聴いたことがない人へのポップス入門として普通に秀逸なチョイスじゃないですか?私もこの順番にまとめたプレイリスト作って聴いているくらいですから。

で、単に名曲を並べただけじゃなくて各話のストーリーと絶妙にマッチした選曲なんですよね。楽曲を知っている人なら、「ああ、だからこの曲ね」と思わずニヤリとしてしまいます。

特に最終話「A Change Is Gonna Come」の大団円感、すごくないですか?この曲の素晴らしさや制作背景を知っていればそれだけで感動できちゃいますよね。

オリジナル楽曲の完成度の高さ

ここまでは豆知識というか、作品に込められた洋楽愛の部分ですけど、「音楽もの」ですから作中にはオリジナル楽曲もたくさん登場します。これのクオリティがまたとんでもないんですよね。

楽曲制作メンバー見たら腰抜かしますよ、日本からはCorneliusこと小山田圭吾Nullbarichcero、赤い公園の津野米咲とありえないくらい豪華なメンツが参加してます。これ、たった1本のアニメのために集結したメンバーですからね。

海外からもフライング・ロータスサンダーキャットと、もう泣く子も黙る面々が参加してます。そりゃあいい曲ができるに決まってますよね。サンダーキャットに至っては作中にもろ本人が元ネタのキャラも出てきて、ヴォーカルもサンダーキャット自身が担当しています

で、さっきも話に出しましたが、本作ではメインの声優の他にもヴォーカル専用のシンガーがそれぞれのキャラにキャスティングされているんですが

とにかく全員歌が上手い!

よくこんなシンガー揃えたもんだと感心しちゃいますよ。特に主人公の2人やアンジェラは設定上ティーンエイジャーですけど、ちょっと年齢離れした歌唱力です。確か「中の人」もまだ若い方だったと記憶してますが、それにしたってスゴイ。

いくつか紹介してみましょうかね。OPの『Kiss me』という曲なんですが。

キャロル&チューズデイ(Vo.Nai Br.XX&Celeina Ann) 「Kiss Me」Music Video(short ver.)

無茶苦茶秀逸なポップスですよね、いわゆる「アニソン」感がない、楽曲単体で成立しちゃう強さがあります。

OP、EDがいい曲なのは前提として、劇中曲も名曲揃いなんですよ。個人的にはエゼキエルというラッパーの楽曲が大好きで。いわゆるパブリック・イメージとしてのデフォルメされたラップじゃなくて、すごく現代のヒップホップ・シーンを反映させた過激でコンシャスなナンバーなんです。何故かサントラにも未収録なんですが、是非アニメ本編でご確認ください。

まとめ

『ボヘミアン・ラプソディ』だったり『ラ・ラ・ランド』だったり、いい音楽がある作品ってそれだけでプラスポイントがついちゃうと思うんですよね。音楽ファンの視点からすればなおさら。

そういう意味ではこの『キャロル&チューズデイ』も、間違いなく音楽ファンなら好きになれる作品だと私は確信しています。いわゆるアニメアニメしたセクシャルな描写もないですからとても見やすいですしね。

Netflixで視聴できるので、もしこの記事で『キャロル&チューズデイ』に興味を持たれた方は是非とも見ていただきたいです。本当にいい作品ですから。

「キャロル&チューズデイ」Blu-ray Disc BOX Vol.1

「キャロル&チューズデイ」Blu-ray Disc BOX Vol.2

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