ブログ始めて気づきましたが、人気のある記事はガンガンシリーズ化した方が書くのが楽みなさんに楽しんでもらえますね。ということで今回は人気記事の第2弾です。
第1弾は↑から見ていただければと思うんですが、繰り返すようですがレコードが家にあるというのはなんとも言えないカッコよさがあると私は思うんですよね。人に見せびらかして回るということではなく、なんとなく部屋や自分の気持ちが凛とするような、ノーブルな感覚になれる気がして。
なので今回も、作品の内容というよりはアルバム・ジャケットそのものの魅力にフォーカスを当てた記事にしていきます。では、参りましょう。
『フーズ・ネクスト』
1枚目はザ・フーの最高傑作『フーズ・ネクスト』。内容も個人的に大好きな作品ですし、ロック・クラシックとして絶大な評価を受けているアルバムですけど、今回の「名ジャケット」という観点でもこの作品の力強さったらないですね。
にび色の空と荒れた地面、そこに1つだけそびえ立つ謎のモノリス。その側でメンバーは所在無げにそれぞれ佇んでいる……こう書けばなんとも神妙な写真にも見えますけど、これ実は4人がモノリスに立ち小便した後の写真なんですよね。メンバーのポージングも、よく見ると確かに用を足した後に見えます。
このバカバカしいジャケット、ザ・フーの豪快な音楽性とも繋がる部分があって大好きなんですよ。それにそういう豆知識がなくとも、シンプルにアルバム・ジャケットとしてすごくパワフルじゃないですか。
有名デザイナーが手がけたものだったり、Tシャツにされるくらい知名度の高いものだったり、もちろんそれも名ジャケットですけど、この『フーズ・ネクスト』の馬鹿らしさとシンプルさが放つエネルギーもしっかりと名ジャケットとして評価したいんですよ。
『まぼろしの世界』
お次はザ・ドアーズの2nd、『まぼろしの世界』。以前1stは「5枚de入門」シリーズでご紹介しましたが、この2ndも勝るとも劣らない名作です。ただ今回は「名ジャケット」紹介なので内容の話はそこそこに。(「5枚de入門」も人気シリーズですので、よろしければあわせてどうぞ)
もうジャケットからモロにサイケデリック・オーラがムンムンと漂ってきます。ドアーズの他の作品のジャケットはメンバーの写真を使ったシンプルなものなんですが、この作品はその意味ではやや異例。
それにしてもこのジャケットの強烈さったらないですね。ドラッグに手を出したことなんてもちろんないですけど、如何にもドラッギーで混沌としたユーモアがあると思いませんか?目に飛び込んでくるフォーマルな装いの男の子とイカツイハゲ頭の男のインパクトが実にドギツイ。
私は名ジャケットの1つの条件に「ジャケットだけで作品のムードを表現できている」というものがあると思っているんですが、この『まぼろしの世界』はこの点では最高峰でしょうね。サイケデリック・ロックの寵児、ザ・ドアーズとはかくなる音楽だ!とでも言わんばかりのアートワークです。
『イズ・ディス・イット』
3枚目の紹介はザ・ストロークスのデビュー・アルバム『イズ・ディス・イット』。検索するときにMJの『THIS IS IT』とごっちゃになって大変ややこしいアレです。
このアルバムのジャケットは2種類あるんですよね。今回紹介するものがオリジナルですが、卑猥だという理由でジャケットの差し替えを余儀無くされ、ステンドグラス調の幾何学模様に変更されています。
メンバーはこのオリジナル版を気に入っていないみたいですが、やっぱりストロークスの1stといったらこのジャケットだと思うんですよね。限りなくソリッドでシンプル、それゆえにクールという音楽性を、モノトーンと曲線美が見事に表現していると思います。
コレは本当にインテリアとして秀逸なカッコよさがあると思うんです。まあ確かにいやらしさがないとは言えないでしょうけど、それ以上にこのシンプルさ。空気感が張り詰めるような、そういう存在感のあるロック界屈指の名ジャケットですね。
『クイーンII』
前回もそうでしたけど今回も随分ベタなセレクトになってしまっている気がします。気にせずいきましょう。クイーンの2nd『クイーンII』です。
大名曲『ボヘミアン・ラプソディ』のビデオでもフィーチャーされたイメージですけど、この厳かなオーラ、やっぱり印象的ですよね。暗闇に浮かび上がる4人の顔、まるで絵画のようですらあります。
ここで注目しておきたいのはフレディ・マーキュリーのポーズ。胸の前で手を組み、彼らしいもったいぶった不遜な美学を感じますけど、コレ実は元ネタがあってですね、マレーネ・ディートリッヒという往年の大女優のポートレイトと同じポージングなんですよね。彼女の写真は実は映画『ボヘミアン・ラプソディ』にも出てきています。
日本でのクイーン人気も手伝って、かなり有名なジャケットですね。クイーンって初期はかなりグラム・ロックの影響も受けているので、ビジュアルの完成度だって折り紙つきです。
『リターン・トゥ・フォーエヴァー』
今回もジャズから1枚チョイスしてみます。チック・コリアの『リターン・トゥ・フォーエヴァー』。のちに彼が結成するフュージョン・バンドの名前の由来にもなった名盤です。
海面を悠然と飛ぶ鳥、この如何にも優雅で伸び伸びとした写真はコリアのサウンドとも実に符号します。ただ、この鳥に実は一悶着ありまして。(一悶着ってほどではないな……)
発売当時からずっとこの鳥はカモメだとされていたらしいんですね、「らしい」というのは私は後追いなので当時の話をよく知らないんですが。ただ今きっちり見返すと、全然カモメじゃなくないですかコレ?解像度が荒いせいでなかなか判別できませんけど、カモメというには流石に大きすぎるし黒すぎる。
今では「カツオドリ」だろうということでとりあえずの決着は見たようですね。音楽ブログとは思えないくらい音楽関係ない話してますけど、要は昔から多くの人に愛されてきた歴史的名盤でもあるんだよと、そう言いたかったということにしておきます。
まとめ
さて、今回も今回とて「名ジャケット」を5枚紹介していきました。こうして改めて見ると、どれもやっぱりビジュアルの力強さは凄まじいものがありますね。
何度かブログで主張していることですけど、音楽の楽しみ方は何も音楽を聴くだけじゃないと思うんですよ。それこそレコードのジャケットであったり、関連書籍やお酒やコーヒーみたいな音楽をより豊かにするものであったり、本当に多義的な楽しみ方があると思うんです。
マイケル・ジャクソンの名言に「生きるとは音楽的であること」(”To live is to be musical”)というものがありますが、私も全くの同意見。是非ともこの記事で、音楽を音楽以外で楽しむ面白さを味わっていただければと思います。それではまた。
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